洞穴

令和七年五月二十五日

記録者 権田奏太

以下の内容は、間違いなく真実といえない。少なくとも記録者は、これを真実だと確信していない。


”洞穴の

ここは入り口  吹く風に

揺れる松明   今消えた

ランプはあるか 見つからない

その時、穴に  戻る風

落ちてくように  引きずり込まれた

あおる強風  たたら踏み

つのる恐怖  はばからず

鬼束屏風   あらわれて

はだけた情婦 まなざしの

注いだ手水  はかまおび

色は匂へど  いわくらに

こけむす操  かたむすび

畔道の 月に吹かれる 土ぼこり

夏を焦がれる 幼なき蝉よ”